「親の家を片づける」を読んだからではないが、前から気になっていた親の部屋の書棚の中を片づけた。
普段は磨りガラスのよって中が見えないようになっている。ガラスを開けてみると、びっしりいろんなものが詰まっていた。予想通りだ。
数十年前の住所録や写真、または書類などが積まれている。今は使用しない万年筆も多数あった。それもキャップなしでむき出しのままだ。仕事に使ったのだろうが、それにしてもすごい数、今だったらパソコンで文書を書くから筆記具はほとんどいらない。小さな枠を万年筆で埋めるのは大変なことだったろう。
燃えるゴミと燃えないゴミに分別した。冷房のない部屋では汗が流れ出てくる。ただ物を分けるだけでも疲れる。
どんどん片づけていくと、人形の形をした缶が出てきた。開けてみると、まあ1円玉が隙間なくギッシリ入っている。上の蓋がようやく閉まるくらいのたくさんの1円玉、なんでこんなに貯めたのだろう。
調べてみると昭和52年の1円玉も入っていた。ということは何十年も書棚の中に眠っていた1円玉かもしれない。缶について親に聞いたら記憶にないと言われた。
私は今はキャッシュレス決済で生活しているので、現金に触るどころか見ることもあまりない。1円玉を使うことはほとんどないが、このままにしておくことはできない。どうしたらよいものか。考えられることは金融機関の窓口に持っていって貯金すること、またはセルフレジで使用すること、ATMで貯金することも考えられる。
でも金融機関に預けるとなると、枚数によっては手数料がかかるらしい。1円玉数百枚だと下手したら手数料のほうが高いかもしれない。検索してみるといろいろな方法があるが、硬貨が預けられるATMを利用するのが一番よい方法だと思った。
複数の銀行のATMを見たが、預けられるのは紙幣のみというATMもあった。私が利用している銀行のATMには硬貨を入れることができた。よかった。100枚までは入れられるようだ。
さっそく大量の1円玉を持ってATMの前に立った。その銀行には4台のATMが並んでいるので、比較的スムーズに利用することができる。しかし10枚20枚くらいの硬貨を投入するのではないから当然時間もかかる。
50枚くらい入れたら並び直してまた入れるという作業を繰り返した。1日では無理だったので数日かけてすべての1円玉を入れた、その数825枚、けっこうな量でした。この先これほどの数の1円玉を見ることはたぶんないと思う。