クレイグ版ボンドを見て

昨年10月に最後のダニエル・クレイグ版ボンド「ノー・タイム・トウ・ダイ」が公開された。


それを記念してAmazonプライムビデオでこれまでの007シリーズ全24作が一挙に配信された。


クレイグ版はテレビでちょっと見たことがあるくらいだ。しかしもうボンドをもう演じないとなると、今見ておかないと後は見られないかもと思い年末に見た。



最初に見たのは「カジノ・ロワイヤル」
テロリストの資金運用をしている人物をボンドがやっつける話。カジノを舞台にポーカーで資金運用するので、ボンドもポーカーをすることになる。高額な掛け金は英国政府の資金であり、その資金を監視するために才色兼備の女性官僚が送りこまれる。



久々に見るアクション映画、すごい、見応えあり、ボンドが走るときは陸上競技の選手のようで隙がない。建物を破壊してまわるボンドは見ていて気持ちよい。コロナでこもりきりの生活の憂さを晴らすにはぴったりだ。

昔は夜9時から洋画劇場が数多くあって、よく007シリーズをやっていた。そこで見た007といったらショーン・コネリーが演じていた作品が多かった気がする。私の中では007というとショーン・コネリー、ボンドガールをはべらせてお酒を飲んでいるといったイメージなのです。


コネリーの007と比べるとクレイグ版のボンドはまじめで禁欲的な感じがする。映画では女性と絡み合うシーンもあるが、女好きという雰囲気ではないし。むしろ女性との会話を楽しんでいるようにもみえる。劇画のヒーローではなく人間らしいボンドのように感じられた。



いろいろな場面があったが、強烈なのはボンドが敵に捕らえられて拷問を受けるシーン、まあよくこんな拷問を考えつくことよ、男性ならわかるであろう痛みを伴った拷問、すごかった。

次に見たのは「スカイフォール」



「スカイフォール」とはスコットランドにあるボンドの家のことだ。大きな角を持った鹿が立っている門を通過するとその先に広大な屋敷がある。門から屋敷を眺めることはできるが、徒歩何分という距離ではない。猟場の管理人もいる環境、ボンドは富裕層、上級国民だったのか。



ボンドの生立ちは知らなかったが、この映画によると孤児であったらしい。両親はボンドが幼少の頃登山事故で死亡した。その後引き取られてスカイフォールで義兄弟と一緒に生活することになる。この兄弟が次作「スペクター」では重要な役を演じることになる。なかなか複雑な生立ちだ。



ジュディ・デンチ扮する上司のMは「諜報員は見寄がないほうが・・・」という。死に直面する仕事だからそう考えるのだろうが、面と向かってそう言われるとね。諜報員は駒の一つかもしれないが、非情な仕事だよね。



スカイフォールにも敵は出没し、屋敷は破壊される。上司のMも死亡してしまった。暗いストーリー展開だったが、若いQが出てくる場面は楽しかった。ボンドカーも健在だったし。

15年間のクレイグ版ボンドとしての軌跡をたどったのがこの作品、記者会見や撮影シーンなどが本人やプロデユーサーの声で語られる。


クレイグ版ボンドは初めは不評だったが、徐々に人気が出てきたこと、アクションシーンはオリンピック選手並みに練習を繰り返したことなどさまざまなエピソードが満載されている。興味ある1本でした。

007以外にクレイグが出演している映画は思いつかなかったので、探してみたところこの映画が出てきた。前に見たことがある。スウェーデンの財閥の話で原作はかなりの長編だった。夢中になって読んだ記憶がある。かなり入り組んだ話だった。

共演者のルーニー・マーラが演じるリスベットがあまりに強烈なキャラクターで、クレイグがかすんでしまった。今見返しても非常に面白い映画だ。



この頃のクレイグはまだ細身だ。ボンドになってからよほど鍛えたに違いない。




クレイグ版ボンドは陽気ではないが、映画を見終った後心に残るものがある。それももうすぐ見納め、早く最後の作品「ノー・タイム・トウ・ダイ」を見たい。