毎日自炊しているが、時にはおっくうになっていやになることがある。自分一人の食事ならどうとでもなるが、家族がいるとそういうわけにもいかない。
「ちょっとのコツでけっこう幸せになる自炊生活」という本、そういうふうになれたらどんなによいことかと思いつつ手に取った。本を開いてみると最初に「自炊はもっと簡単に考えていい」という文章が目に飛び込んでくる。これを読んだだけでなんか肩の力が抜けたような気がした。
そうだね、料理を複雑にするも簡単にするも自分が決めること。でも必要な栄養とか考えるとタンパク質に炭水化物、ビタミン、カルシウムなどの言葉が頭をかけめぐり、ある程度は作らなきゃいけないかと思ってしまう。そこで作るのが面倒になる。もっと簡単にするにはどうしたらよいのだろう。
本は「味噌汁は出汁をとらない、スープは煮込まない」から始まっている。味噌汁は出汁を取らなきゃいけないと堅く信じこんでいた私にとっては目から鱗が落ちる気分、じゃどうするの、そしたら鰹節と味噌にお湯を注ぐだけの「かちゅー湯」なるものが出てきた。すぐにやってみたらおいしい!これならできる。なんと楽なことか。今ではかちゅー湯は我が家の食卓に繰り返し出現しています。
そのほかにしらすとトマトの味噌汁、サバ缶とヤングコーンの味噌汁、薩摩揚げと長ネギの味噌汁や、豆苗と塩昆布のオリーブオイルスープなどが載っている。具の取り合わせが斬新で自分なら考えつかないような味噌汁が並んでいる。お椀に具を入れて沸騰したお湯をかけるだけでできあがる味噌汁なんて楽しくてしかたがない。
次は「火を使わない料理から始めてみる」の項目、暑い時期にぴったりなレシピ、今ならすぐに使える。まぐろユッケ、ごちそう冷や奴、トマトとカットねぎのナムルなど、どれもすぐにできそう。
自炊の強力な味方としてカット野菜や缶詰、鯖干物と塩ざけ、めんつゆを取り上げている。私も日頃よく使っているものばかりだ。カット野菜については、手抜きしているという変な罪悪感をおぼえる必要はないとのこと。その通りです。他人からそう指摘されるとうれしい。
料理するうえで野菜を切ることは案外時間がかかる。野菜が多ければ多いほど切る時間が増加していく。それだけでも疲れてしまうことがある。カット野菜はそんな気分を吹き飛ばしてくれるありがたい存在だから大いに活用したい。
自炊するために必要な道具の選び方も参考になった。包丁やまな板、フライパン、鍋、食器を選ぶポイントがしっかり書かれている。最初は考えもなしにほいほい道具をそろえた私だが、長期間使用する道具だからよくよく吟味してそろえたほうがよいと今になって思う。特に食器、食器にこりだすと次々に買いたくなる。見るたびに買いたくなる。100円ショップはそうした意味で鬼門です。行くたびに買わないように我慢している。たくさん食器があっても使う食器はいつも同じになってくるしね
一読すると自炊に対して考えが変わってくる、気軽に自炊ができそうな気持ちになる本でした。