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「親の家を片づける」を読んで

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先月は着物やかばん、家具の処分を行ったためか疲れてしまった。家の中には処分すべきものがまだまだある。ものを捨てることは精神的にも肉体的にもしんどい作業だ。自分のものさえそう思うのに、親のものを片付けることはどんなに大変なことか、想像しただけでげんなりする。


「親の家を片づける」はそんな体験談を綴った本だ。15人のケースが取り上げられている。一人で片づけるひと、年老いた親を叱咤激励して一緒に片づける人、家族と片づける人、5年たっても片づけが終わらない人など様々な事例が紹介されている。




私にも後期高齢者の親がいる。見た目はしっかりしているようにみえるが、年相応(と思いたい)に認知症かなと思える言動をするので、心配しながら同居している。だからこの本を読んでいると、人ごととは思えなかった。身につまされた。



うちの場合は定期的に片づけをしてきたので、家の中にものがあふれているといった状態ではない。しかし片づけから時間がたつと、片づけた当時よりは徐々にものが増えてきているのがわかる。一番増えたのは食器かな。買わないように買わないようにと気をつけていても、100円ショップなどで好みの食器を見ると安さゆえについ買ってしまう。いかんいかん。



本を読むと親の家の片づけをする人は50~60代の子供が多い。子供といってももう若くはない。認知症の親を説得しつつ作業をする。説得したつもりでも親はすぐに忘れてしまうから、また最初からやり直し。それがいかに心身を消耗させるか私も体験済み。中には認知症の親が亡くなってから片づけを開始した人もいた。



親世代はものがない時代に育ったので、なかなかものを捨てられない。その上もったいないという価値観を持っている。もったいないは確かに大事な言葉だが、それに囚われすぎると家が片づかないことになる。


片づけたものをゴミ捨て場に置いてくると、子供が知らないうちにそのゴミを家に持帰って来る親もいた。そんなことをされたらものが減らない。



うちの親は片づけるのが好きな人で、率先してものを捨てていたから口論にはならなかった。後であれは捨てなければよかったというほどだ。その点ありがたかった。



衣類や本など小さなものは捨てやすいが、家具など一人で運べないものは粗大ゴミか業者に頼むことになる。お金をかけて不要な処分すると、なかなかものを買うことができなくなる。買っても処分するときは有料だと考えるようになるからだ。買いたい気持ちを抑えるには有効な方法だと思う。


片づけるをするには体力が必要、ヨボヨボになってからでは片づけたくても片づけられなくなる。とにかくものを増やさずいらないものは捨てて暮らしていきたい。